いざ震災が起こってしまった時、私たち建設業者は主に4つの役割があります。構造の知識や道具の活用による相互救助、壊れた建物の修理、建物が安全かどうかの判断、家を失った被災者が避難生活を送るための応急仮設住宅の建設。
しかし、建築の技術や知識があっても、震災の混乱時に人や資材を集めてスムーズに事を行うのは、そうそう思ったようにはいかないと言われています。
そのためにいざ起こった時にどうすればよいのかを、平時に訓練しておかなければなりません。
ということで、私たちは有事の時に木造の応急仮設住宅を建設する、という災害委協定を東京都と結び、平時から体制づくりや建設の研修を行っています。
今回は、応急仮設住宅の団地の中につくる「談話室」を実際に建てる実施訓練を行いました。
技術的に難しい所は、木梁のあらわしと省エネ基準相当の屋根断熱の取り合いなので、訓練では天井から屋根の部分だけを二棟建てました。
実際応急仮設住宅の建設は、1か月で完成しなければならないので、短期間に資材と作業員を大量確保しなければならず、短期で入れ替わる全国から集められた、知らない作業員同士で作業を行う難しさがあります。
通常の現場作業では、チームとして一丸になって行う事が早く良い仕事が出来る秘訣なので、この難しさがわかってもらえれば講習会としては成功でしょう。
今回は二棟作ったので、大工さんは2グループに分かれてもらいまったく同じものを組み立てました。
大工さんたちはてきぱきと作業を進め、短い時間の中でそれぞれの役割分担が出来ます。
さすがにそこは慣れたところ。限られた時間でしたが、何とか2棟完成しました。
今回参加していただいた大工さん、現場監督さん以外にも、たくさんの工務店の方たちが講習会に参加していただき、震災時に地域工務店が少しでも役に立つ事が出来ればと思います。
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