独立したキッチンをLDと一体化して、ユーティリティ、サニタリーへの家事動線を連続させた、セミスケルトンリノベーションです。
40年間手を入れないまま過ごし、世代交代してご家族が住み継ぐことになりました。
大きな課題として、4人家族が住むには64㎡と昨今の標準としてはゆとりが無いこと。
もとの間取りは40年前の設計なので、キッチンはかなりコンパクトな独立型。ここをダイニングと繋いで広く開放的なLDKとしよう!というのが最初の構想でした。
ところがダイニングとキッチンの間には独立した50㎝角の柱が存在し、どうしてもキッチンを広げる事が出来ません。そこでコンセプトを「開放的なLDKから」「開放的なキッチン~家事スペース」に変更しました。
リビングって広いに越したことはないんですが、必ずしも出来ない場合はキッチンと家事中心の空間を優先する生活もありで、リビングを犠牲にした分思い切ったキッチンレイアウトが可能です。ゆったりした家事スペースを含めた広いキッチンとなり、家族でキッチンを楽しむLDK、という考え方ですね。
ちなみにキッチンを家族で楽しむかどうかは、ご主人が料理するのかによると思っている方が多いと思いますが、料理をしないご主人はだいたい後片付けをしていると思うので、であれば楽しく後片付けしてもらった方が「家族でキッチンを楽しむ」ことになると思います。
今回もその要素を持った空間になっています。
キッチン~ユーティリティはオーナーさんの好みだった、なんとなく土足感、業務用感のあるデザインイメージを取り入れて、ステンレス製オーダートップと、ラワンべニアで造作キッチンを造り、ユーティリティ側の床はタイル(下階への音を考慮してタイル調樹脂フロア)としました。天井には配線ダクト式の照明が付きます。
以前より小さくなったLDKは、廊下との間の扉を取り払って一体感を出すようにしました。ちょっとでも普段の生活空間の一部らしくするために、飾り棚をつくりスマホの充電場所にしています。
もともと玄関の横に小さい不思議な納戸?があって、ドアを開けてみると「えっ明るい!」という場所が存在しました。
これもキッチン横と同様の邪魔な柱の恩恵で出来た空間らしく、さっそくドアを取ってみたところ、玄関の明り取りと土間収納スペースに早変わりしました。
それがこれです↓ 左側に可動棚を付ける予定です。
今回スケルトンに出来た部分は、全て内側断熱にして、既存も窓には内窓を設置し、冷暖房効率と快適性に配慮しました。
ドアを取り払いつなげただけで、奥行きを持つことによって空間は活きてくるのですが、そこだけしか考えないとかえって快適性や経済的な欠点が発生してしまうのです。
最後にリノベ前の写真です。 キッチンの狭苦しさと、ドアが邪魔なのがよくわかりますね。
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